再入院で読んだ本

再入院して10日ほど経ちまして。退院まであと5日ほどあるのに、手持ちの本が尽きてしまったー!!
また注文したところで、手元に届くまでのタイムラグを考えると、読む暇なさそうだし…。DSとテレビでなんとか凌ぐしかないか。
というわけで、最近読んだ本。ミステリにつきネタバレ注意。



■『殺人の門』は、先に読んだ『手紙』と雰囲気というか流れがすごく似てた。でも決定的に違うのは、主人公の馬鹿さ加減。主人公が自分の無知を棚に上げて、終始被害者気取りなのにはイライラ…。そりゃたしかに悪友にはめられた部分は大きいのだろうけど、主人公に学習能力があれば、もうちょっとオツムがあれば防げただろうに、という展開の繰り返しにはゲンナリ
■『殺戮〜』は、ミステリマニアの間で結構評価の高い叙述物と聞いて読んでみた。グロテスクな描写多々あり、というのも分かってて覚悟の上で読んだからそこまでの衝撃はなかったものの、これは大分病んでますな…。
結局叙述トリックよりもグロさのほうがよっぽど印象に残ってしまい、また読み返そうという気分にはなれない作品。
■『扉は〜』は2年ほど前に一度読了していたものを久々に再読。倒叙モノ好き。犯人が綿密に錬った計画が、探偵役のロジックに寄ってじわじわと崩されていくのが醍醐味。
で、これがなかなか面白かったので、この続編というかシリーズというか、同じ探偵役が活躍する『君の望む〜』も読んでみたのだけど、こっちはイマイチでした…。前作ではさほど気にならなかったのだけど、この探偵役の性格がどうも好きになれない。実際にこんなやついたら嫌だし、他人視点の地の文中に於いて探偵役のことをいちいち「なんて頭のいい女性だ」とか「なんと恐るべき頭脳だろう!」とか出てくるのが、作者の自画自賛に聞こえてこそばゆくてしょうがない。
この2作は今年WOWOWでドラマ化されたらしく、探偵役をクロキメイサちゃんが演じたらしいのですが、ワタシの中のイメージは絶対にシバサキコウちゃんです。(だからどうした)
■『青の炎』も倒叙モノ。倒叙モノは犯人視点で進んでいくので、犯行の過程がつぶさに分かるところ、探偵役に犯行を暴かれて追い詰められていく犯人側の心理が描かれるところが面白いのだけど(分かりやすいところでいえば、古畑/任三郎ですな)、この作品に限っては、どうか犯行がばれないでほしい、殺人が成功してほしい!と思ってしまった。
これ、にのみやくん主演で映画化されてるんですよね?機会があったら借りて見てみたい。
■『麦酒の〜』は、いわゆる安楽椅子探偵モノ。あとがきや解説にも書いてあったけど、安楽椅子モノは短編が殆どであり、この作品のように長編で描くのは非常に難しく挑戦だったのだそうだ。
で、読んだ感想を言わせてもらえば、これ別に短編でよかったんじゃん?と…。この話の核となる「謎」にそれほど吸引力がなかったというか、350ページにも渡って延々と推理を巡らせるほどの魅力に乏しかったかなと思います、はい。あと、タカチという女性がどうも好きになれない。


ん〜、一生の友とも言える素敵な本に巡り合うのはなかなか困難なものですな…。