裏ジャニ『パパラッチから逃げ切れ』バトル・ロワイアル風

レポするのも感想書くのも今更だし、でも面白かったから、じゃあ小説風にしてみたらどうだろう?という安易な考えで書きはじめた小説バトル・ロワイアル風「裏ジャニ/パパラッチから逃げ切れ!」です。
まだ本編を未見の皆さん、見られない地域にお住まいのみなさん、以下の文は半分フィクションです。登場人物の心情等は、勝手な脚色ですのでご注意ください。
相当イタタ臭が漂う企画ですが、当方自覚してますのでほっといてください(笑)。
恥ずかしいので本文は隠します。←キーワードリンクから来られた方には無意味ですが(苦笑)。
では、お目汚しですが、読んでくださる方は以下クリックでどうぞ。


1.
「はいはいはーい、静かにしなさーい。それじゃ説明しまーす。みなさんに今日ここ国立競技場に集まってもらったのは他でもありませーん。今日は、みなさんにちょっと、鬼ごっこをしてもらいまーす。ここから代々木公園まで、パパラッチ12名に顔写真を撮られることなく逃げ切ってくださーい。制限時間は1時間でーす。一人でもゴールできたらあなたたちの勝ちとしまーす。質問はありませんかー?じゃよーい、スタート!」


2.
「自信はめっちゃある。メンバーには、“オレ捕まるで”なんて言ったけど、全然自信ある」
燦々と降り注ぐ春の光に目を細めながら、横山は不敵に微笑んだ。
ひとり、スタジアム通りを南下し、そのまま神宮球場前を通り抜けるつもりでいた。しかし既に敵のGPSに捕らえられていることを、横山はまだ知らない―。


錦戸は逸る気持ちを抑えきれず、小走りに先を急いだ。
「走りながら行きますわ。こういう大きい道は…」
普段は強がっているが、根は小心者なのだ。一人ではどうにも心細い。
心臓がさっきからドキドキとうるさく脈打っている。
ヤスと大倉みたいに、オレもマルか誰かと一緒に組めばよかったかな…。
そんなことを考えながら、錦戸はただ夢中で走っていた。


「勝とうって気持ちはあるんですけど、それ以上に……映りたい」
丸山は元来、勝ち負けにはあまり拘らない性格である。
勝つとか負けるとかより、その時その時を楽しみたい。そんな自分達の姿を見て、一人でも多くの人が笑ってくれたら。で、ちょっとでも長く映れたら、それでもう幸せやし。
早足で歩きながら、丸山は顔を綻ばせた。


「パーキングの車の間とかおらんよな。もう今にもそっから出てきそうやん。」
だいたい、こっちは7人で相手は12人やろ?もう圧倒的に俺等が不利やんか…。
人通りの少ない、住宅街を抜ける内。足取りはさほど早くはないものの、先ほどからキョロキョロと、せわしなく周囲を窺っている。
大丈夫、まだ誰もおらん。オレ悪運強いねん。そう簡単に捕まらへんって。
自分に言い聞かせ、内は先を急いだ。


大倉と安田は、一組のパーティーとして行動を共にしていた。
年上だが頼りなげな安田と、身体は大きいが小心者の大倉。一緒に行動したほうがいいんちゃう?となんとなくそんなことになったわけだが。
二人で本当に良かった。
二人で並んで歩きながら、こうして作戦会議と称して他愛もない話をしてるだけでも、相当に心強い。
突然、大倉が血相変えてビクリと立ち止まる。
「え、なに見てんの?なに見てんの?ちゃうか?」
言われて安田も目を凝らすが、前方には誰もいない。
「ちゃうやんか」
ビビリの大倉を励ますように明るくツッコミを入れつつも、
―コイツ大丈夫かな?
安田の脳裏を不安がよぎった。


「なんかゆっくり歩いてんのも怖いしな。かといって走っても目立つしなっていう…」
大股で歩を進めながらも、スバルはどう動こうか迷っていた。
無鉄砲な性格に見えるが、意外とこういうのは慎重に動くタイプなのだ。とにかく捕まるのはイヤだ。負けたくない。
どうしようか。どうすれば生き残れるか―。
いまだ作戦が定まらず逡巡しながらも、とにかく足だけは止まらないように、ひたすら歩き続けた。
【残り7人】


3.
「これ、車がコワイなぁ…」
横山は、辺りを見渡し警戒を強めた。
この通りは車の往来が激しい。ルールによると、自分達は車や電車を使うことは許されないが、敵は足を自由に選べるという。
あっちにはGPSがあるから、こっちの動きは手に取るようにわかるのに、こっちから相手の動きを知るには、肉眼と勘しか術がない。
めっちゃ理不尽なルールやで…。
横山はカサカサに乾いた唇を舐めた。自分が思った以上に緊張しているらしい。
タクシーに乗っている人、行き交う車の運転手―。
目に映る全てが敵に見えて、ビクビクしている自分にちょっと笑ってしまう。
横山の顔色がやけに青白いのは、決して日の光のせいだけではないようだった。
と、その時。
視界の端に、周りの景色とは明らかに異質な、迷彩服の男を捉えた。
敵だ。
頭で理解するより早く足が動いていた。
足には自信がある。相手がプロのアスリートでもない限りは、ちょっとやそっとのことでは追いつかれる気は全くしなかった。
走れ、走れ!
ジャケットを翻し、青山の街を猛然と駆け抜ける。
どれくらい走っただろう。
ふっと、殺気にも似た背後の気配が消えた。振り向くと、敵の姿はもうなかった。
「逃げ切った…」
思わず息をつく。
思いっきり追いかけてきよった。油断は禁物。相手は本気だ。
第一のピンチを切り抜けたことがかえって、横山の闘争本能に火をつけた。
絶対に負けらんねぇ…。
横山は再び不敵な笑みを浮かべると、代々木に向かって歩き出した。
【残り7人】


4.
残り50分。
スバルは青山を西に向かって歩いていた。
ただ歩いているだけなのに、さっきからやけに肩がこるし、喉が渇く。
まだスタートしてから10分しか経ってないのがウソじゃないかと思えるくらい、疲労を感じている。
なに緊張してんねんオレ…。
まだ3月の上旬だというのに、さっきから日差しが目に痛いくらいに照り返し、今日の東京はすっかり春の陽気である。
「帽子、被っといてよかったわ」
額にじっとりと滲んだ汗を拭いながら、スバルはひとりごちた。
行く手に、その目立つグリーンの帽子に標準を合わせているレンズがあることに、スバルはまだ気付いていなかった。
この道を真っ直ぐでええねんな…。
目の前に広がる景色と、頭の中の地図とを照らし合わせながら、ゆっくりと横断歩道を渡る。
と、道を渡りきった瞬間、目の端になにか違和感を捉えた。
目の前の茂みの中、飛び出してきたそれを敵だと理解するのに一瞬かかった。
「うわあぁぁぁぁっっっ」
反射的に声が出た。とっさに身を翻す。
もう何も考えられなかった。
「うわぁ、うわぁぁっ、うわあぁぁぁぁっ!!」
自分でもよくわからない奇声を発しながら、ただひたすら駆け抜ける。
怖い、怖い、怖い、怖い!
なにがそんなに怖いのかもわからない。後ろを振り返る余裕もなく、無我夢中で足を動かし続けた。
いくつも角を曲がり―。
敵を振り切ったとわかったのは、だいぶ走ってからだった。
ようやく安全だと思える場所までたどり着いた時には、緊張と疲労とですっかり息があがってしまい、上手く言葉を発することができないほどだった。
とりあえずなんとか逃げ切ったものの、この状態があと50分も続くと思うと、うんざりする……。
スバルは肩で息をしながら、思わず天を仰いだ。
【残り7人】



……思いのほか長くなって、1回じゃ終われませんでした!(笑)
文才もないのに、自分の首締めるようなマネしちゃってどうするのさオレ。
しかし連載するのもどーなのよ?という感じでしてはっきり言って持て余してます(苦笑)。どこへ向かっているのか自分。
続き物の予定ですが、続かなかったら「ああ、挫折したのね」と思ってスルーしてください…。